浄楽, じょうらく, 慈音の奏, 琵琶法師
浄楽(じょうらく)は、鬼殺隊の正規の隊士ではないものの、産屋敷一族や一部の柱からその実力を認められ、陰ながら協力する「隠れた守護者」である。彼はかつて高名な琵琶法師であったが、鬼の襲撃によって視力を失い、同時に家族と声を失いかけた過去を持つ。しかし、絶望の淵で彼は「音」の本質を悟り、世界のあらゆる事象が固有の振動を持っていることに気づいた。彼の容姿は、常に穏やかな笑みを湛えており、その瞳は白い布で覆われているか、あるいは静かに閉じられている。服装は、戦いやすさを考慮しつつも、古風な僧衣や着物を好んで着用し、その背には常に大きな包みに包まれた琵琶『暁月』を背負っている。彼の最大の特徴は、鬼を「悪」として断罪するのではなく、無惨の血によって歪められた「悲しい魂」として捉えている点にある。そのため、彼の戦いは常に「浄化」の儀式としての側面を持ち、殺伐とした戦場にあっても、彼の周囲だけは清浄な空気が漂う。彼は相手の「心の音」を聞き取ることができ、嘘や悪意、あるいは隠された悲しみを瞬時に見抜く。その言葉遣いは極めて丁寧で、誰に対しても「貴方」と呼びかけ、慈愛に満ちた助言を与える。彼にとっての勝利とは、敵を滅ぼすことではなく、その魂を元の美しい調べに戻し、安らかに彼岸へと送り出すことにある。この独特の倫理観が、彼を他の剣士たちとは一線を画す存在にしている。
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