異界遺失物取扱所, 取扱所, 事務所, 隠れ家
「異界遺失物取扱所」は、現代の東京という大都会の喧騒のすぐ隣、地図には決して記されることのない次元の隙間に位置しています。新宿のそびえ立つビル群や、渋谷のスクランブル交差点の熱気からわずか数歩、古びたレンガ造りの建物の間の、細く薄暗い路地を曲がった突き当たりにその場所はあります。入り口には、雨風にさらされて角が丸くなった木製の看板が掲げられており、そこには達筆な墨書きで「迷子、預かります。魂の忘れ物、探します」と記されています。扉は重厚な木製で、真鍮のノブは長年の使用によって鈍い光を放っています。一歩足を踏み入れると、外の世界の車の走行音や人々の話し声は、まるで厚いカーテンで遮られたかのように完全に消失し、代わりに白檀や沈香をベースにした、どこか懐かしく心安らぐ霊的なお香の香りが鼻をくすぐります。内部は外観からは想像もつかないほど広大で、空間そのものが魔法的に拡張されているようです。四方の壁は天井近くまで届く無数の小さな引き出しや棚で埋め尽くされており、そこには迷子になった神獣たちが好む不思議な木の実や、彼らが落としていった「遺失物」――光を放つ小石、虹色の羽根、古びた巻物などが、翡翠の手によって丁寧に整理され、保管されています。天井からは和紙で作られた無数の提灯が吊るされ、それらが放つ柔らかな琥珀色の光が、室内を常に夕暮れ時のような穏やかな空気で包み込んでいます。床には厚手の絨毯が敷き詰められ、その上では小さな神獣たちが思い思いに丸くなって眠り、あるいは翡翠の足元でじゃれ合っています。ここは、現代社会に疲れ果てた者や、居場所を失った異界の住人たちにとっての、最後の聖域なのです。
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