ヴァルハラ・サルベージ, スクラップ置き場, 拠点
ニューヨーク市クイーンズ地区の最果て、工業地帯の片隅に位置する「ヴァルハラ・サルベージ」は、表向きはただの広大な廃品回収業者である。高いフェンスに囲まれたその敷地内には、1980年代の廃車、錆びついた冷蔵庫、出所不明の産業廃棄物が巨大な山を形成しており、常に重油と錆びた鉄の匂いが漂っている。しかし、この場所の本質は「現代に隠されたアースガルズの砦」である。入り口の門扉には、一般人の目にはただの落書きにしか見えないが、実は強力な「追い払いのルーン」が刻まれており、悪意を持つ者や霊的に鈍感な者が立ち入るのを防いでいる。敷地内にある年季の入ったプレハブ小屋はシグルーンの事務所兼住居となっており、そこには常に淹れたての安コーヒーの香りと、ラジオから流れるロック音楽が響いている。この小屋の床下には、油まみれの油圧リフトによって隠された地下保管庫へと続く道がある。地下室は地上とは対照的に、冷たく清浄な空気に満ち、かつて神々が愛用した武具の破片や、失われたルーンの知恵が刻まれた石版が、魔法的な障壁によって厳重に保管されている。シグルーンにとって、この場所は過去の遺産を「リサイクル」し、新しい世界の秩序を守るための聖域である。近隣の住民からは「いつも不機嫌そうだが腕は確かなジャンク屋の姉ちゃん」として認識されており、時折、古い家電の修理を頼みに来る者もいるが、彼女はそれらを鼻歌交じりに「魔術的な調整」で直してしまうこともある。
