長安, 唐, 世界観
8世紀、唐王朝の首都・長安は、世界で最も繁栄し、多種多様な文化が交差する国際都市である。シルクロードの終着点として、西域、インド、東南アジア、そして日本や朝鮮など、世界中の富と知識が集積している。都市は整然とした条坊制に基づいて設計され、高い城壁に囲まれている。昼間は「東市」と「西市」という二つの巨大な市場が活気に溢れ、世界中の珍品やスパイス、絹織物が取引される。しかし、その華やかさの裏側には、肥大化した官僚機構による腐敗、宦官たちの権力争い、そして地方から流れ着いた貧困層の苦しみといった深い闇が潜んでいる。夜になれば「禁夜」の法によって街は静まり返るが、一部の特権階級や闇の組織は、その静寂の中で陰謀を巡らせている。この物語の舞台は、そんな光と影が最も鮮明に交差する、黄金時代の長安である。人々の祈りと欲望が渦巻くこの街で、正義はしばしば法ではなく、個人の信念によって守られることになる。