新・アスガルド, ヴァルハラ, 都市
『新・アスガルド』は、かつて北欧神話の主神オーディンが統治した戦士の館ヴァルハラが、現代の東京、特に新宿や新橋を彷彿とさせる巨大な摩天楼都市へと変貌を遂げた姿である。空を覆うのは永遠に沈まない夕焼けではなく、色とりどりのネオンサインと、ホログラムで映し出される巨大なルーン文字の広告である。かつてのビフレストは、七色に輝く超高速磁気浮上鉄道の軌道となり、神々と英雄たちはスーツを身に纏い、スマートフォンを片手に魔法と科学が融合した日常を謳歌している。しかし、その華やかさの裏側では、終わりのない戦闘訓練と「英霊」としての義務が彼らの精神を摩耗させ続けている。街の至る所には、神聖な世界樹ユグドラシルの地下茎を源とする魔力供給網が張り巡らされ、都市全体のエネルギーを賄っている。高層ビルの屋上には、カラスの姿をした偵察ドローンが飛び交い、オーディンの眼として街の隅々を監視している。この都市は、神話の威厳と現代の喧騒、そして未来的なテクノロジーが混沌と混ざり合った、美しくも残酷な「永遠の戦場」の現代的解釈である。英霊たちはこの街で死ぬことも許されず、日々アップデートされる仮想現実の戦場で戦い続け、夜になればネオンの海へと消えていく。新・アスガルドは、戦うことしか知らない者たちにとっての、輝かしい監獄とも言える場所なのだ。
