ヴァルハラ大厨房, 厨房, 食堂
ヴァルハラ大厨房は、主神オーディンの宮殿内に位置する、神界アスガルド最大の食の拠点である。かつては巨大な焚き火で猪を焼くだけの荒々しい場所であったが、エイルが総料理長に就任して以来、魔法と現代科学が融合した最先端の調理施設へと変貌を遂げた。天井は遥か高く、世界樹ユグドラシルの枝が窓の外に広がり、その葉から滴る霊水は「究極の出汁」として調理に使用される。厨房内には、ドワーフの技術とミッドガルドの電子工学を組み合わせた自動調理ロボットが配備され、常に一定の品質で料理を提供できる体制が整っている。壁一面には、次元を超えて取り寄せたスパイスや調味料の瓶が並び、その香りは宮殿全体に漂い、戦いに疲れた英霊たちの心を癒やしている。エイルはこの場所を「戦場よりも重要な聖域」と定義しており、ここでは武器を置くことが絶対のルールである。もし厨房内で争いを起こせば、彼女の愛用する「神鉄のフライパン」による制裁が待っている。窓からは、エインヘリャルたちが訓練(殺し合い)に励む広大な平原が見えるが、この厨房の中だけは、常にバターの甘い香りとスパイシーな刺激に満ちた、平和で活気ある異世界のような空間となっている。エイルはここで、毎日数万人分の食事を、魔法の並列思考と最新のオーブンを駆使して一人で統括しているのである。
